
私はうつ病ですが、職場の人になかなか病気のことを理解されません。以前は仲の良かった友達も最近は疎遠気味で、一生懸命理解してもらおうとしているのに、どうして味方ができないんでしょうか??

もしかしたら、それはあなたの「私辛いんですアピール」が強すぎるせいではないでしょうか?

「私辛いんですアピール??」

そうです。自分の辛い現状を周囲に理解してもらおうと必死になるあまり、その主張が過度になってしまっている状態のことです。
詐欺、リストラ、離婚、死別、借金苦など、うつ病にかぎらず、大きな不幸に見舞われると、その辛さを理解してもらおうと、自分の置かれている現状を事細かく他人に説明しようとする人がいます。
最初こそ皆耳を傾けますが、次第に聞き手は疲れてしまい、徐々に周りから去っていってしまうんです。
周囲に理解してもらえない、そう嘆く方に対し、その原因と対策を解説してまいります。
- 不幸を宣伝された周囲の本音とデメリット
- 不幸を宣伝しても応援されるためにすること
- 改善策
不幸の宣伝は逆効果
まず最初に注意喚起するべき誤解は、自分の不幸を周囲に宣伝することは逆効果でしかないということです。
自分の不幸を周囲に知ってもらう目的としては、いざとなれば助けを求めやすい関係性を構築しておきたいという狙いがありますよね。
ですが、あなたが逆の立場ならどうでしょう。必要以上に自分の不幸話をしてくる人がいたとして、その人と必要以上に親しくなりたいと思うでしょうか?
例えば、借金で生活が苦しい、という悩みを、こちらから聞きもしないのに毎回のように話題にされたら、どう思うでしょうか?
おそらく多くの人はこう思うはずです
「お金貸して」って言われないだろうか・・・
それもそのはずです。お金の貸し借りにおけるトラブル件数は近年増加傾向にありますし、少額でもそうしたやり取りが行われると、高確率で今までのような対等な関係ではいられなくなってしまうからです。
今の距離感が心地良い、そう感じている人からすれば、あなたの相談はただの重荷でしかないのです。それどころか警戒すらするべき内容なのです。
人は本能的にリスクを避ける生き物です。
あなたの不幸宣伝という行為は、あなたと仲良くしていたい、そう思う相手の気持ちを確実に遠ざけている行為なのです。
また、相談をされる相手もまた、自分が利用されようとしていることに気がつくでしょう。
それでも優しい人はあなたの言葉に耳を傾けてくれるでしょうが、そう言った「優しい人」というのは静かに、そして唐突にあなたから去っていくものです。
親しい仲だからと、他人に自分の苦痛を毎回受け止めてくれることを期待していると、最後に傷つき、孤独になるのはあなた自身です。
愚痴を言っても応援される人と、されない人の違い
自分の不幸を周囲に宣伝しても、毛嫌いされる人と、逆に応援される人の決定的な違いがあります。
それが自助努力をしているかどうか、です。
自助努力とは、現状に対して、他人を頼りにせず、自分なりに創意工夫を行い物事を成し遂げようとすることです。
引き続き先の「お金」を例に沿っていきましょう。
借金で生活が苦しい、と言いつつコンビニや自販機で買い物をしたり、外食を頻繁にしたり、高い買い物をしたり、自分の生活を見直そうとしない人に、あなたは金銭的援助をしたいと思うでしょうか?
多くの人は思わないはずです。
三大支出である保険、車、家、その他通信費など、今はネット上でも調べれば生活を見直し、余剰金を捻出する情報はたくさん散見できます。
お金に関することを含め、困ったことを解決するための情報は概ねネットで手に入れられる時代です。
ですがお金がないと嘆く人に限って、そう言った泥臭い努力はせずに、宝くじなどの一発逆転を狙った手段に走るのです。
とどのつまり、お金はない、でも節約などの努力もしたくない。
そんな姿勢に、いったい誰が手を差し伸べると言うのでしょうか。
年収1000万の人は税金が取られまくっているので生活が苦しい・・・そう言いつつも高級車に乗ったり頻繁に旅行した写真をSNSにアップしたり、そうした様子を見ると、周囲の人はこう思うのです。
「まずその高級車売ったら?」と。
だからこそ、誰よりも税金を取られているはずの年収1000万円の人は、世間的に同情を得られにくいのです。
年収200万、300万の人から見れば、生活水準さえ下げれば捻出できるはずなのに、その努力が見られないので、同情がえられないのです。
このように、自分の置かれた苦境に対して、自助努力をしている様子がみられない人は、残念ながら周囲の理解は得られません。
それどころか毛嫌いされて攻撃対象にすらなってしまうでしょう。
「アンダードッグ効果」というものがあり、人は劣勢にある人を応援したくなるという心理が働きます。甲子園野球で劣勢のチームをなぜか応援したくなったり、テレビなどのメディアで叩かれている人になぜか救いの手を差し伸べる人がいるのもこの心理によるものです。
しかしそれは当事者が状況打開のために内省し、行動を改め、それが目に見える形で相手に伝わるからこそ効果が発揮されるのです。
状況を嘆くばかりで何一つ打開策を行動に移さない人がいます。
いつ聞いても同じ悩みを、行動せずにいつまでも落ち込み、苦しい状況を嘆くだけで、こちらが提案したアドバイスなども一切聞き入れない。
自助努力をしようとする姿勢すらない人は間違いなく、理解者は減っていくことでしょう。
負け続けながらも、状況打開のために、めげずに目の前のことに全力で取り組む。
そんな姿勢に人は心打たれるのです。
あなたが信用されるためにすること
不幸の宣伝は一旦やめる
この話の本筋でもある、この不幸の宣伝は一旦やめましょう。
これを続ける限り、あなたがどれだけ自助努力を重ねても、確実に人は離れていきます。
私個人は、自分の努力はいつか誰かが見ていてくれる・・・そんな根拠も再現性もない「いつか」は期待していません。
なので発信すること自体を規制するつもりはありません。
相談に乗ってもらった人に対しては「今度こんなことから始めてみようと思う」など方針を伝えてあげましょう。
結果などまだ出ていなくていいのです。
未来に向けて、前向きに取り組むその姿勢を見せることが何よりも重要です。
そうしたあなたの姿勢によって、相手も「相談に乗ってあげてよかった」「少しでも力になれてよかった」「また力になってあげよう」と思えるのです。
辛い自分をわかって欲しい、その気持ちは誰もが共感できるでしょう。
しかし過度な不幸のアピールは周囲を疲れさせ、あなたにうんざりさせる結果しかもたらしません。
ある程度愚痴ったら不幸の宣伝は一旦やめにして、目の前のことに全力を出すようにしましょう。
できることから始める
そもそもうつ病とは「心のエネルギーが枯渇した状態」です。
つまりやりたくても体が動かない、やる気が起きない状態、と言うことです。
これは精神論ではなく、脳の血流低下に伴う歴とした脳の症状なので、一概に「自助努力しない人が悪い」とも言えません。
しかし、うつ病でも急性期を脱し、ある程度活動が可能になってくる時期があります。
こうした「最近動けるけど、何から始めたらいいかわからない」という時期では、とにかくできることから始めるのが最善です。
身体が健全に機能するために十分な睡眠をとり、生活サイクルを取り戻すことや、食事による栄養補給を欠かさないこと、適度な運動など、クリニックでも必ず医師が推奨する活動があるはずです。
これはセロトニンと呼ばれるうつ病の原因となる神経伝達物質の分泌を促進する目的があるからです。
こうした基礎的なことをはじめ、私個人がお勧めするのは読書などの情報収集です。
私が過去にうつ病になりかけた際にも、今の自分にできることを必死に考えましたが、体が動かないのはもうどうしようもありません。
というより、状況的にもうこれくらいしかやれることがありませんでした。
気力も体力もない、そんな中でも目や手など最低限の活動ならできました。
幸いにもスマホはいつも手放さないので、できることは状況打開に向けて少しでも有益になる情報をかき集めることでした。
これなら寝ながらでもできます。
今の自分と同じ悩みの人は必ず存在する。そんな人たちはどうこの問題と向き合っているのか、どんな手段が残されているのかなどを考えました。
本を読んでも、ネットで検索しても、すぐに答えが得られるわけではありません。
それでも情報という点が少しずつつながっていき、やがて一本の道筋となる。
すると次第に自分が取り組むべき活動が見えてくるのです。
不安なのは動かないからです。動いてさえいれば、いつか目の前がパッと明るくなるもの。
人間は未来が明るいと思えるからこそ、今を頑張ることができるのです。
このように今置かれた最悪な状況でも、未来の自分に向けて、今ないができるのかを考えましょう。
それが取るに足らない小さなことでもいい。泥臭くても、今は光明が見えなくても、何かを始めてみることです。
やれることは全部やる
最後に状況を打開することができる人というのは、いつも「できることから逃げない」ものです。
「こんなことをやってもきっと大した効果はない」
行動しない人に限って、このようにやりもしないで結果を過小評価するものです。
小さな取り組みが、思わぬ大きな結果を生んだり、物事を大きく推進させる起爆剤になったりすることなどよくあることです。
しかし、そもそも行動しない人はそんな「よくあること」すら気づけないのです。
こればかりは行動した本人にしかわからない実感だと思います。
やる前から失敗した時の言い訳を考えているうちは、行動すら起こせません。
その感情が逃避であることをどこかで自覚しているからこそ、自己嫌悪が強まって、行動できない自分と、不安な未来に自信がなくなっていくのです。
まさに悪循環そのものです。
ここにテコ入れする方法は一つしかありません。
それはとにかく結果を気にせず行動を開始する、これだけです。
何がうまくいくかはやってみないとわかりません。
ネットに書かれている成功体験などは、所詮その当事者にとって最適解であったに過ぎないからです。
「書かれていることやったのにうまくいかない!」「騙された」と思うかもしれません。
しかし往々にして、その方法が万人に当てはまることはないということも覚えておきましょう。
他の人にとってはうまくいかなかった方法も、あなたになら当てはまるかもしれない。
このマッチングはとにかく手当たり次第行動した人しか得ることはできません。
私自身も遠回りをした身ですが、それでも思わぬ方法が、思わぬ良い結果になったこともあります。
それは凹んで行動に移せなかった当時では思いもつかない方法と結果でした。
しかし、その成功体験があるからこそ、行動することの大切さや、行動することで未来に希望を感じることができるのです。
結果を気にせずまずは行動することをお勧めします。
うつ病は治らない
ここで一つ残酷な事実をお伝えしておきます。
心の病、というのは根本的には「完治」することがありません。
なので最終的にはあなた自信が頑張るしかない、という事実です。
それは生まれてから今まで、育ってきた環境や遺伝による気質的な要因があるからです。
神経質な人はどもまで行ってもやはり神経質ですし、心配性な人はどこまで行っても心配性です。
これは認知行動療法などの心理療法を用いても完全には修正することができません。
なのでうつ病になるそれらの「気質」があるかぎり、再びうつ病になるリスクは常にあります。
そしてうつ病になれば、その後の人生でもやはり安全で無難な方法を選択しがちになるし、新しいことに挑戦しようという気力も病前ほど湧かなくなってしまいます。
これは後遺症と言っても過言ではありません。
「うつ病が治ってから・・・」と行動できる状態まで回復しているにも関わらず、いつまでも行動に移せない人が多くいます。
それはカウンセリングなどをしているとよく目にするうつ病患者の特徴でもあります。
しかしここで覚えておいて欲しいのは、先述した通りうつ病は完全には治らないということ、その上で、最後の一手は自分自身が打つしかないということです。
盲腸の手術のように、オペ台に寝て、起きたらもう治ってました、という病気ではないのです。
うつ病は治らない、自分にはその気質があるという事実を受け入れた上で生きていくしかない。
最後は自分が、自分の脚で、自分のために、踏み出すしかないということを覚えておきましょう。
うつ病との付き合い方についてはYouTubeでも解説しているので、是非参考にしてみてください
↓
https://www.youtube.com/@作業療法士白ぶどう
終わりに
いかがでしたか?
うつ病に限らず、辛い自分の状況を誰かに理解してもらいたいという気持ちは誰もが持っている当たり前の感情です。
そして、決してそれを一人で抱え込む必要もありません。
しかしながら、一方的にそれを他人に宣伝し、助力を得られる前提で行動することはお勧めできません。
そのように他人に期待する気持ちが強いうちは、自分の頭で考え、乗り越えようとする姿勢が湧かないからです。
最悪誰かが、いつか助けてくれるだろうと。
そんな都合のいい「誰か」「いつか」は自分で行動しない限りやってこないものです。
望んだ結果が得られず、またうつ病が繰り返す結果しかありません。
今回は誰も教えてくれない、不幸を宣伝することの逆効果についての解説でした。