
おかしいです。一緒に入社したはずの同期がどんどん成長して出世していくのに、僕はいつまでもできないポンコツ社員のまま・・・

どうしたんですか?

同期といつの間にこんな差ができてしまったのでしょうか?仕事ができる人は羨ましいです。

なるほど。成長が止まらない優秀な人と、いつまで経っても成長できない人は確かにいます。でも、それは能力の差ではない、決定的な違いがあるんです。
私たちは日々、仕事や人間関係、社会の出来事など、さまざまな情報に囲まれて生きています。
しかし、それらをただ「知っている」「見ている」だけで終わらせてしまっては、本当の意味での成長にはつながりません。
仕事ができる人、成長速度がバグっている人、そんな人に共通する物事の捉え方があります。
成長する人に共通しているのは、何事も当事者意識を持ち、「自分ごと」として捉える力です。
- 自分ごとで考えることで短期間で急成長できる理由
- 仕事ができる人とできない人の決定的な考え方の違い
- 落とし込む力の鍛え方
「他人事」で終わる人、「自分ごと」にする人
例えば、職場で同僚が原因でトラブルが発生した時、あなたはそれを見てどう思いますか?
- 「あの人のミスだから自分には関係ない」
- 「会社の方針が悪い」
このように考えるのは簡単です。しかし、この思考では自分自身は何も変わりません。
一方で成長する人は、こう考えます。
- 「もし自分だったらどう防げただろうか」
- 「同じ状況になったら、自分はどう判断するだろう」
直接の当事者でなくても、自分の立場に置き換えて考えることで、学びは一気に深まります。
そして仕事ができる人は、それが決して「対岸の火事」とは受け止めず、自分にも起こりうるリスクとして、想定だけに止めずしっかりと対策するのです。
本当の意味で自分ごとに「落とし込む」というのはこういうことです。
周囲の不幸やトラブルを学びに変える力、それが落とし込む力です。
当事者意識が人を成長させる理由
当事者意識を持つと、次のような変化が起こります。
- 問題の本質を考えるようになる
- 受け身ではなく、能動的に行動するようになる
- 結果に対して責任を感じ、改善点を探すようになる
つまり、「自分ごとに落とし込む力」は、思考力・判断力・行動力すべてを鍛えるのです。
逆に、他人事のままでいる限り、経験はただ流れていくだけで、血肉にはなりません。
オーナーシップ・・・という言葉をご存知でしょうか?
自分自身の責任のもと、最後まで物事を完遂させようとする姿勢のことを呼びます。
これはリーダーには絶対に必要不可欠な能力の一つとされています。
なぜなら他人任せ、他責的な指導者には誰も付いてはこないからです。
誰よりも先頭を進み、チームメンバーにとって草分け的な存在こそリーダーのあり方だからです。
しかし、このオーナーシップは何もせずに自然と身につくものではありません。
そこで必要になるのが「落とし込む力」なのです。
常に「自分だったら」「自分のチームだったら」「自社だったら」と考えることで、今やるべきことが自然と見えてきます。
つまり、「落とし込む力」はあなたを替えのきく一介の職員ではなく、管理者や社長などの1段階上のステージに押し上げてくれる考え方ということです。
「自分ごと」にするためのシンプルな習慣
当事者意識は、特別な才能ではなく習慣で身につきます。
おすすめなのは、物事に触れたときに次の質問を自分に投げかけることです。
- 「これは自分にどう関係しているだろうか?」
- 「自分ならどう考え、どう行動するだろう?」
- 「ここから自分が学べることは何だろう?」
ニュース、失敗談、成功事例、どんな出来事でも構いません。
一度、自分の中に引き寄せて考えるだけで、同じ経験でも得られる成長は大きく変わります。
成長は「自分ごと化」の積み重ねです。
人は環境や年齢によって成長するのではありません。
目の前の出来事を、どれだけ自分の課題として受け止められるかで成長のスピードは決まります。
当事者意識を持ち、自分ごととして考える。
このシンプルな姿勢こそが、最も人間を成長させる力なのです。
私は政治や国際情勢にも興味関心があり、新聞やニュース、アプリなどから常に最新情報に触れるようにしています。
そこで学べることは本当に多くあります。
なぜなら、この世で最も高度な仕事が国際社会との関わり方だからです。
国同士の駆け引きを、
- 部署間の調整
- 顧客との交渉
- 上司・経営層への提案
に置き換えて考えてみると、学びは一気に具体化します。
例えば、
- 強硬姿勢を取る理由は何か
- あえて結論を先延ばしにする狙いは何か
- 表向きの発言と本音が違うのはなぜか
こうした視点は、そのままビジネスの判断力になります
国同士のやり取りは会社レベルにまで落とし込むことで、交渉術などに応用できるようになるのです。
歴史に至っても同じです。薩長同盟によって幕府を瓦解させたことで今の新政府となりました。
元々犬猿の仲だった薩長と長州を繋いだのは「利害関係」です。
米や武器など互いに足りないもを補い合うことで、共通の敵である幕府を討つことができたのです。
ここから学べるのは、何事も心から相手と仲良くなる必要はないという事実です。
人も企業も国も、利害関係が成立すれば共通の目的を達成できるという純然たる事実です。
私はこうした歴史や国際などマクロな出来事を、自分ごと、つまりミクロな視点に落とし込むことで自分の経験や戦術に変えているのです。
本来なら私が政治家となり、他国と外交をするという経験を積まなければできない情報を、既存の政治家たちがすでに体現しているのです。
これを使わないのは勿体無いとしか言いようがりません。
何事も自分の血肉に変える、そんなハングリーさが「落とし込む力」の原動力となるのです。
「任された仕事」だけをこなす人は伸びない
ビジネスの現場では、
- 「言われたからやった」
- 「自分の担当範囲はここまで」
- 「決定権がないから関係ない」
こうした考え方に陥りがちです。
しかし、この姿勢ではどれだけ業務をこなしても、スキルや視座は上がりません。
一方で成長する人は、役職や立場に関係なく、こう考えます。
- 「この仕事の目的は何か」
- 「成果を最大化するには何が足りないか」
- 「自分が責任者ならどう判断するか」
仕事を“作業”ではなく“自分のプロジェクト”として捉えることで、思考の深さが変わります。
「指示された」〜「完遂」までの一連のプロセスを頭の中でイメージするのです。
すると自ずと必要な情報や疑問が浮かぶようになります。
他人事の人というのはそうしたイメージを思い浮かべることができません。
なので意見を求められても抽象的で感想のような意見しか出てこない。
一方で自分ごととして考えている人であれば「自分がこの企画をするなら」という視点でイメージするので、より具体的で建設的な意見が挙がります。
なので、普段仕事をしていても、こうした相手に対する質問とその回答から、この人が「できる人」なのか「できない人」なのかを見抜くことができます。
一緒に入社した同僚がすごい速度で成長するとしたら、自分との能力格差は間違いなくこの「落とし込む力」にあると言っていいでしょう。
それほどまでに、この考え方は短期間で成長格差を生むのです。
「自分ごと化」が視座を引き上げる
自分ごとで考える習慣が身につくと、視点が自然と上がります。
- メンバー視点 → チーム視点
- 業務視点 → 事業視点
- 目先の成果 → 中長期の価値
これは、昇進やリーダーシップに不可欠な要素です。
実際、マネジメントを任される人の多くは、役職がつく前から当事者意識を持って行動しています。
仕事ができる人ほど、過去から学び「自分ごと」で考えている
ビジネスの現場で成果を出し続ける人には、ある共通点があります。
それは、過去の出来事——歴史や前例、失敗や成功事例——を学び、それを自分ごととして活用しているという点です。
単に経験年数が長いから成果が出るわけではありません。
違いを生むのは、「過去をどう使っているか」です。
歴史や前例を「知っているだけ」では意味がない
多くの人は、過去の事例をこう扱います。
- 「前回はこうだったらしい」
- 「過去の失敗例として聞いたことがある」
- 「マニュアルにそう書いてある」
しかし、これは情報として知っているだけの状態です。
これでは、いざ同じような局面に立ったとき、判断や行動には結びつきません。
一方で、仕事ができる人は、過去の出来事を次のように捉えます。
- 「なぜその判断に至ったのか」
- 「どこで分岐点があったのか」
- 「自分がその場にいたら、どう動いただろうか」
過去を追体験し、自分の意思決定に落とし込むことで、経験値に変えているのです。
成果を出す人は「他人の経験」を自分の経験に変える
ビジネスでは、すべてを自分で失敗して学ぶ時間はありません。
だからこそ重要なのが、他人の経験をどれだけ自分のものとして吸収できるかです。
歴史、前例、上司や先輩の失敗談、成功事例。
これらを「参考情報」で終わらせるか、「自分の判断軸」に変えられるかで、成果に大きな差が生まれます。
仕事ができる人は常にこう考えています。
- 「この事例は、今の自分の仕事にどう使えるか」
- 「同じ状況になったら、自分はどう決断するか」
この思考が、再現性のある成果を生み出します。
当事者意識が過去を“生きた教訓”に変える
過去から学ぶ力の本質は、当事者意識です。
当事者意識がなければ、どんなに優れた歴史や前例もただの知識で終わります。
逆に、自分ごととして捉えれば、
- 過去の失敗は「避けるべきリスク」になる
- 過去の成功は「再現可能な型」になる
つまり、過去は未来の武器になります。
これは個人だけでなく、組織においても同じです。
過去を自分ごととして捉えられる人が、チームの判断精度を引き上げていきます。
評価されたければ経営目線を身につけること!
多くの人が「一介の社員」としての視点しか持っていません。
経営者から見た理想的な社員とは、社長である自分と同じ目線で現場を考え、会社の利益に貢献できる社員です。
つまり、一介の平社員の視点しか持てない人は、上司や会社側が本当に望んでいる結果を出すことができないということです。
これは「視座」と言って、平社員の視座、主任の視座、部長の視座、社長の視座、と言ったように目線の位置を表す言葉です。
平社員の視座しか持たない者と、平社員+社長の視座両方を持っている者とでは同じことをしても結果が異なるのは当たり前です。
現場から見て最善と思うことも、経営目線では最良の結果になるとは限らないということです。
興味関心の広さが、仕事の視点を広げる
自分ごとに落とし込める人は、総じていろんなことに興味を持っています。
なぜなら、興味がなければ「考えよう」としないからです。
- 歴史
- 政治
- 経済
- スポーツ
- 他業界の動き
これらはすべて、仕事に通じる「思考の材料」です。
材料が多いほど、判断の引き出しは増え、視点は自然と高くなります。
視点と視座を両方鍛えよう
視点とは物事を見て判断するときに必要な要素のこと。
例えば、私なら平社員の視点、経営者の視点、心理学の視点、脳科学の視点、医学的な視点、等々。このように一つの課題に対して複数の視点からメスを入れて考えます。
そうすることで見落としている問題や、解決までの最短ルートを見つけることができます。
この視点の数が多いほど、より高度な問題にも対処できるようになります。
この視点がいわゆる横軸とするなら、視座は縦軸となります。
視座には庶民レベルの考え方〜企業レベル〜国レベル〜国際レベルと高さの段階は多くあります。
より高い視座で物事を見ることによって、今まで見えなかったものが確実に浮き彫りになります。
私はまだ一介の職員だった頃には見えなかったものが、今は鮮明に見えるようになりました。
それは会社を運営するという経験があったからこそ、得られたものでもあります。
この縦軸と横軸の見え方の両方を鍛えることで、仕事もプライベートもあらゆる面で損しない判断ができるようになります。
告知
私が執筆した「弱者の防御術」~なぜあなたは弱いのか~がAmazonから販売中です。
私自身が中学生〜高校生までの6年近く、ずっといじめを受けてきた経験をもとに、今現在、どうやって心から自信のある生き方ができるようになったのか
いじめによって失われた自分らしさや自信を取り戻す方法をまとめました。
全て私が実践してきたことに加え、専門である心理学や脳科学の知識も含めて解説しています。
過去いじめに苦しんだ人や、今まさにいじめに遭っている人のために書いた本なので、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。

