僕昔は弱い立場だったのでよく虐めに遭いましたよ。今でもトラウマのように苦しくなる時があります。虐めって最低ですよね。
その通りですね。しかしどうして虐められる人と、そうでない人がいるのでしょうか?
やっぱり弱気な人がターゲットになるんじゃないですか?
と、思うでしょ?でも必ずしもそうではないんです。虐めを受ける人には実はある共通点や、特徴があるんですよ。
ではその共通点や特徴がわかれば、虐めのターゲットを回避できるんですか?
その確率を上げることには繋がりますね。
なぜ自分が虐めを受けなければならないのだろう・・・
現在虐めを受けている被害者の皆さんは、一度はそのように考えることでしょう。
虐めの理由は性格、容姿、出身、職種と挙げ出すとキリがありません。
一つ確実なのは、相手はあなたが抵抗してこないことを理解しているから、虐めを行うのです。
虐めをする側にもリスクが伴います。しかし自分が安全だと思うからこそ、リスクを承知で行動に移しているのです。
虐め被害者の3つのパターン
パターン①:想像力豊かな善人タイプ
パターン①は「虐められる自分に何か原因があるのかもしれない」と、虐めをしてくる人間の行動を、無理に正当化しようとするのが最大の特徴です。
虐めをしてくる人間の行為を「悪意」と受け止めようとしないのです。
これは、自分が虐めを受けているという酷い現状を否認したいという心理も働いています。
基本的には、人柄が良く、善良で、正直者、優しいといった性格的特徴を持っています。
それ故に、自分自身に責任の所在をおこうとしてしまう傾向があるのです。
酷いケースでは、被害者が、加害者に認めてもらうために
求められる姿に無理やり自分を変えようとしたり、必要以上に加害者に寄り添ってしまう場合があります。
結果、虐めをする人間が自ら用意した正当化理由との相乗効果で、虐めの存在そのものが曖昧になってしまうケースもあります。
しかし、このパターンの最も恐ろしいところは、虐めやハラスメントの存在を隠蔽したいと考える、企業や学校に「気づきませんでした」という最もな理由を与えてしまうことです。
虐めは受け手が主張しなければ何も始まりません。
その性格が逆手に取られないためにも、自分が虐めを受けているという事実は、むしろ拡散していくべきなのです。
パターン②:我慢に慣れてしまった隠忍タイプ
パターン②は虐めは自分さえ我慢すれば穏便に遣り過ごすことができると考える特徴があります。
過去の経験から、虐待や侮辱に対して耐え続けることで難を凌いできた経験が多く、彼らにとっての社会的行動様式のスタンダードが「耐えること」になってしまっているのです。
これはパターン①と比較しても、少々重症度の高い状態と言えるでしょう。
何故なら、パターン②の彼らから、虐めの実態が表面化することは絶対にないからです。
これは虐めをする当事者はもちろん、その事実を隠蔽したい企業や学校側からしても、ただ都合の良い存在に他なりません。
冒頭でも前述したように、虐めをする側は、ある程度自分たちの安全が確保できているからこそ、攻撃行動に出ているのです。
例えば、クラスにいる虐めの首謀者が、クラスの全員に自分に加担するよう促すケースがありますよね?
発言力がある分、逆らえないクラスメイトは渋々協力させられるわけですが、そうやって共犯者意識を持たせ、多数派を構築することで、虐めの盤石な状態を作るのです。
共犯を強要されたクラスメイトも、結果として自分たちも加担したことで、親や教師にバレることを恐れ、全員が口を塞ぎます。
そんな彼らからすれば、これほどにターゲットとしやすい対象はないでしょう。
私の過去の経験からも、やはりターゲットになりやすいタイプで最も多かったのを覚えています。
パターン③:被害者意識がない環境依存タイプ
パターン③は少々特殊で、ある特定の条件下で生まれるタイプとなります。
それは、被害者が自身が弱者であるという認識があり、且つ、加害者が社会的多数から支持を得ている人気者である場合です。
この場合の加害者とはいわゆるクラスの人気者や、企業では権威的肩書きのある上司・先輩がそれに該当します。
自分より立場が上の人間が言うことなのだから、従って当然である。
と言う、環境によって虐めの状態が自動的に正当化され、本人が被害者であると言う自覚をしにくい状態にあるケースです。
これは特に職場などのピラミッド構造が明確になっている環境でよく起こっています。
例えば、上司から自分が傷つく言葉を言われたとしても、
「きっと後輩として可愛がってくれているのだ、あれはブラックジョークなのだ。」
と、立場や環境が、そう思い込もうとさせてしまうのです。
ここでよく理解していただきたいのが、ブラックジョークはお互いに信頼関係があって初めてジョークとして成立するコミュニケーションです。
信頼関係がない状態でブラックジョークを使用すれば、それはただの言葉の暴力でしかありません。
事実として、相手は本当にそう思っているからこそブラックジョークのネタとして使っているわけです。
受け手もそれを十分に理解した上で、相手の言動を受け入れるべきでしょう。
そして肩書きのある立場の人間は、その肩書きがあるだけで、すでに周囲との上下関係があることを自覚しなければなりません。
口にする何気ないジョークが、肩書き故にハラスメントとなる可能性があるからです。
社会的構造上、被害者が自覚しにくい虐めの実態。
あなたはもしかすると、自分が自覚していないだけで、とっくに被害者になっている可能性があるかもしれません。
被害者の共通点:無抵抗
ここまで3つのパターンを紹介してきました。どうでしたか?
紹介したパターン全てに該当する共有点が、被害者は皆、無抵抗であると言う事実です。
過去、私が中学時代に受けた虐めも、やはり私自身が発信できない環境にあったことを覚えています。
部活の先輩全員から虐めを受けていたわけですが「進路に響くから」と言う理由だけで退部することすらできませんでした。
今に思えば、教師や親が口にする、そんな大したことのない理由を盲信した自分が愚かだったのかもしれません。
理想は自分自身の口で、加害者に意見を言えることですが、現実それができないので虐めがなくならないのです。
ですが「従わない勇気」を持つことも大切です。あなたにとって大切な時間はもう戻ってきません。
いつまでも他人に振り回される生活から、少しでも早く脱出するために、今自分ができる最大限の抵抗の意思を示すことが大切なのです。
虐めを自覚したらするべき対策
自分が虐めを受けたと自覚したら、まずは①親、②学校の順に相談してください。
なぜこの順番であるかというと、多くの場合無償で味方になってくれるのが身内だと言うこと。
学校は必ずしも味方になってくれる保証がないからです。
無論、学校に相談することは話の筋道としては正しい行動です。
しかし学校側の本音といえば
「大ごとにしたくない」
「自校から虐めの事実を作りたくない」
と考えます。これはどこの学校も同じことが言えます。
つまり真相を実像以下に捉えられてしまい、被害者側の「考えすぎ」「思い込みすぎ」と加害者の追及をしない可能性があるからです。
しかし、被害者の方に知って欲しいのは、とにかく誰かに相談し、発信することも抵抗なのだということです。
虐めを自覚した時は、何よりも、より多くの人に相談し、自分が苦しい状態にあることを発信しましょう。
加害者は自分が少数派になればなるほど、攻撃しにくくなるものです。
学校であれば、クラスの担任だけではなく、色々な教師に同時に相談するのも良い手です。
担任だけでは黙認されてしまう可能性があるため、周囲が無視できない状態を作る意味でも、拡散する相手は多いに越したことはないのです。
それでも解決できない場合は、弁護士に相談することも有効です。
最近は虐めの相談で弁護士に寄せられる件数も増えていると聞きます。
それだけ弁護士を利用しなければ解決しない理由が多いと言うことなのかもしれません。
職場であれば各都道府県の労働局や労働基準監督署に迷わず相談しましょう。
昨今、企業とは往々にしてハラスメントなど従業員からの訴えに敏感になっているものです。
上司に相談しても改善されないのなら、事態が改善されるまで何度でも労働局へ電話で相談してみましょう。
学校、企業双方に言えることですが、虐めを受けてもまずは自分ができる最低限の抵抗姿勢を見せることです。
可能であれば毅然とした姿勢が取れるとなお良いでしょう。
虐めを受けている自分が格好悪い・・・そういった羞恥心が抵抗心を失い、相談すらできず、結果として加害者の思惑通りになるからです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は虐めを受けている被害者の視点から、虐めを受けやすい人を3つのパターンに分けて、共通点と対策を解説しました。
私自身も中学高校と虐めを受け続けてきた身。
今のもし過去の自分にメッセージを送れるなら、伝えたいことは本当にいろいろあります。
きっと皆さんも同じなのではないでしょうか。
ですが今苦しんでいる方にも、今一度自分自身について振り返っていただきたく、今回の記事を書くことにしました。
苦しい時はまずは多くの人に苦しんでいる状況を発信しましょう。
そして、自分なりの「従わない意思」を示すことから始めることをお勧めします。
今回の投稿が、虐めに苦しむ読者の方にとって、予防的解決の一助になれば嬉しく思います。